東洋医学と経絡とは?
🔹 東洋医学と経絡とは?
東洋医学では「身体は気(エネルギー)と血(栄養・潤い)がめぐることで健康が保たれる」と考えます。
その“気血の通り道”こそが 経絡(けいらく)。
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🔹 経絡は「身体の中の見えない循環システム」
・血管が血液を運ぶように神経が刺激を伝えるように…
🌟経絡は “気と血” を全身に巡らせる役割りがあります!
しかも…
臓腑(内臓)と体表(ツボ・皮膚・筋肉)をつないでいます✨
→ 内臓が弱れば、特定部位に痛みや冷えが出る
→ 逆に体表を刺激すれば、内側の働きが改善する
これが鍼灸の基盤☝️
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🔹 経絡の働き
・気血をめぐらせる(循環)
・臓腑と身体表面をつなぐ(連絡)
・体を守る(防御)
→ 衛気が皮膚を守り外邪から守る
・身体を統合する(調整)
→ 自律神経・ホルモンバランスにも関与
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🔹 経絡の異常はどう出る?
たとえば…
◆ 胃の経絡の気が滞ると…
→ 胃の不快・ゲップ
→ 膝〜すねに張り・痛み
◆ 肝経が滞ると…
→ イライラ・生理痛・目の症状
→ 下腹〜内ももにツッパリ
などなど。
中医学の有名な言葉で、こんな言葉があります🦻
■ 不通則痛(ふつうそくつう)
流れなければ痛む
■ 不栄則痛(ふえいそくつう)
栄養が足りなければ痛む
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🔹 鍼灸が効く理由(経絡観から)
ツボは経絡上の“気血の出入口”鍼や灸でそこを調整することで経絡の流れが調います。
すると臓腑・自律神経・筋緊張が変わり、少しずつ身体が調ってくるイメージです。
また…
🔹 経絡には「臓腑の名前」がついています
例えば … 胃経・肺経・大腸経など
🔹 なぜ… 臓腑の名前がついてるの??
・経絡は臓腑とつながっているから☝️
経絡は、必ず「対応する臓腑」に帰属します🧐
例
・肺経は肺の働きと、胃経は胃の働きとリンクしてることが多いです📚
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※経絡に異常があれば臓腑にも影響する。
逆に、臓腑に異常があると経絡に反応がでてきます。
◆ 肝経の滞り → イライラ・生理痛
◆ 脾経の弱り → 食欲不振・倦怠感
◆ 胃経の熱 → 胃痛・口の乾き・膝の痛み
などなど。
鍼灸治療が、 「全身治療」になるのは経絡が全身をつないでいるからなんですね☝️
五行でひもとく「感情と身体のつながり」
東洋医学では、身体とこころはひとつの流れとして働いていると考えます。
その中心となるのが 五臓(肝・心・脾・肺・腎) と、それを取り巻く 五行(木・火・土・金・水) の関係です。
五臓は、それぞれの感情、器官、そして全身の働きと深く結びついています。
どれかひとつが弱ると、まるでドミノのように他の臓にも影響が広がっていきます。
今回は「感情」と「臓腑」と「五行」のつながりを、わかりやすく紹介します。
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🌳 肝(木)と怒り:イライラ・緊張との関係
● 肝の感情
怒り、イライラ、緊張、ため込み。
● 関係する器官
目・筋・腱・爪・側頭部・胸脇(みぞおち〜脇のあたり)。
肝が弱ると、
・肩こり、頭痛
・目の疲れ、視界のかすみ
・胸の張り、ため息
などが出やすくなります。
● 五行のつながり
五行では肝は「木」。木は「土(脾)」を押さえる働きがあります。
そのためストレスや怒りが強くなると、
→ 胃腸(脾)を弱らせてしまい、胃もたれ・食欲不振・だるさ につながります。
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🔥 心(火)と落ち着き:心の安定・睡眠・集中
● 心の感情
落ち着かなさ、不安、興奮、喜びすぎ。
● 関係する器官
舌・血脈・顔色・睡眠リズム。
心が弱ると、
・多夢・不眠
・動悸
・ザワザワした感じ
・集中しにくい
といった変化が出ます。
● 五行のつながり
心は「火」。火は「金(肺)」を弱らせやすい性質があります。
そのため心が不安定になると、
→ 呼吸が浅い・メンタルが落ちる といった肺の症状に波及します。
また、火は「水(腎)」にコントロールされているので、
→ 心が弱ると腎(生命力)の支えも低下します。
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🌏 脾(土)と考えすぎ:胃腸と気力
● 脾の感情
心配、思い悩む、考えすぎ。
● 関係する器官
胃腸・四肢の筋肉・唇・消化吸収・気血の生成。
脾が弱ると、
・胃もたれ、食欲の波
・だるさ
・集中力低下
・むくみ、重だるさ(湿がたまる)
が出やすくなります。
● 五行のつながり
脾は「土」。土は「水(腎)」の働きをコントロールします。
しかし脾が弱ると湿をさばけず、
→ むくみ・冷え・疲れやすさ と腎にも負担がかかります。
さらに「木(肝)が土(脾)を剋する」ため、
→ ストレスで胃を壊すのは中医学的にも理にかなっています。
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🌬 肺(金)と悲しみ:呼吸と免疫
● 肺の感情
悲しみ・憂い・ため息。
● 関係する器官
鼻・呼吸・皮膚・免疫・大腸。
肺が弱ると、
・息が浅い
・落ち込みやすい
・風邪をひきやすい
・便秘/下痢
などが起こります。
● 五行のつながり
肺は「金」。金は「木(肝)」を抑えてバランスを取ります。
しかし肺が弱ると、
→ 肝のイライラや緊張が強くなりやすい という連鎖が起こります。
また肺は腎(水)から“気を引き上げてもらう”ので、
→ 肺が弱いと疲れやすさや呼吸の弱さにもつながります。
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💧 腎(水)と不安:生命力・冷え・ホルモン
● 腎の感情
不安、恐れ、焦り、決断力低下。
● 関係する器官
耳(聴力)・骨・歯・腰・膝・生殖・ホルモン・老化。
腎が弱ると、
・不安感
・冷え
・腰の重だるさ
・白髪・抜け毛
・夜間尿
・むくみ
などが出やすくなります。
● 五行のつながり
腎は「水」。水は「火(心)」を抑えてバランスを取ります。
腎が弱ると、
→ 心(メンタル)が不安定になりやすい/不眠になりやすい。
また、水は木を生むため、
→ 腎が弱いと 肝(木)の気も弱り、イライラや月経痛 に影響します。
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🌿 まとめ:感情は“身体からのサイン”
東洋医学では、感情を「気持ちの問題」とは捉えません。
臓腑 → 器官 → 感情 → 五行バランス が連動して動く“身体のサイン”として見ます。
身体が整えば、
・呼吸が深くなる
・睡眠が整う
・気持ちが落ち着く
・余裕が戻る
など、こころも自然に整っていきます。
ぜひ、日々の小さなケアで身体を整えてみてくださいね🌿
もちろん、鍼灸オススメです☺️
冬は腎をいたわる季節!陰陽・気血で考える寒さ対策
冬になると、足腰が冷える、疲れやすい、腰がだるい、夜トイレが近い…
こんな症状はありませんか?
中医学では、冬は「腎」をいたわる季節。腎は生命のエネルギーの源で、骨・髪・耳・生殖など、体の根本的な健康に関わります。
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1. 冬と陰陽の関係
•冬は自然界で ❄️陰が増え☀️陽が閉じる季節
•体も同じように 陽気を内に蓄え、外の寒さから守る 必要があります🧘
•陽気が不足すると、冷えや疲労、腰膝のだるさ、夜間頻尿などが出やすくなります
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2. 冬と気血の関係
•気✨(エネルギー)は体を温め、血は栄養を運びます
•❄️寒さで陽気が不足すると、気の巡りが滞り血も冷えやすくなり… 結果、手足の冷え、腰のだるさ、疲れやすさが出やすくなります。
•冬は 血を養い、気を補うこと が養生の基本です。
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3. 腎と冬の関係
•冬は「腎」を補う季節
•腎の精(エネルギー)を守ることで、寒さに負けない体を作る。
•腎は骨や髪、耳、生殖機能、腰膝の力にも関係があります。なので、腎が弱ると、冷えや疲労、耳鳴り、腰膝のだるさなどが起こりやすくなると言われています😣
冬=腎の季節
中医学の五行理論で、五季と五臓は対応します
・春:肝
・夏:心
・長夏(初夏/梅雨):脾
・秋:肺
◎冬:腎
• 冬は自然界が閉蔵の状態で陽気が内に蓄えられます。人体も陽気を内に蓄え、腎精を守ることが重要とされます(黄帝内経・素問より)
※ 閉蔵:冬に体や心を 守り・蓄える 中医学的な考え方です。
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4. 冬の養生法(実践編)
1. 体を温める
•足腰・お腹・手を冷やさない
•入浴♨️や温かい飲み物🍵で陽気を補う。
2. 食事で補う
•腎を温め、気血を補う食材:黒豆・クルミ・山芋・羊肉・鮭など。
(身体を冷やす食材は⚠️)
•塩味を少量加えると腎を守りやすい
3. ゆったり動く
•寒さで体が固まりやすいので、散歩や軽いストレッチ🧘で気血を巡らせる🚶
4. 休養と睡眠
•夜は早く寝て💤体の陰陽バランスを整える
•昼寝は短時間なら体を休めるのに効果的
(睡眠は特に大切☝️)
また…
冬と精神面(中医学的観点)も同様に😮💨
• 冬は 内向きの季節。自然界が閉じこもるように、心も内に向かいやすくなります
•中医学で腎は 恐怖や不安の感情 とも関連☝️
•腎が弱ると、夜眠れない、気分が沈む、ちょっとしたことで不安になるなど…。
•腎を養うことで、落ち着きや精神の安定にもつながる。
•精神的な養生も 腎の養生と同じく「体を温め、気血を整える」 が基本になります!
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まとめ
• 冬は 陰が増え陽が閉じる季節☯️
• 陽気を内に蓄え、腎をいたわる ことが大切
• 気血を補い、冷えや疲労を防ぐことで、
🌸春に向けた体の準備もできます🌱
💡足腰を温め、温かい食事、適度な運動、早寝で冬の養生を実践しましょう☝️
ストレスと鍼灸
現代社会では、仕事や人間関係など、日々さまざまなストレスにさらされています😥
その中で、感情を抑え込んだり、我慢を続けていると、心と体をめぐる「気(エネルギー)」の流れが少しずつ滞っていきます☝️
このような状態が長く続くと、心や体に負担がかかり、イライラ😡・不安😞・胸のつかえ・喉のイガイガ・胃の不快感など、さまざまな不調としてあらわれます。
東洋医学(中医学)では、こうしたストレスによって「肝」の働きが滞り、気の流れが悪くなった状態を「肝鬱気滞(かんうつきたい)」といいます。
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🍃 肝(かん)は「気のめぐり」を司る臓
肝は、体の中で「気(エネルギー)」の流れをスムーズに保つ働きを担っています。
しかし、ストレスが続くと肝の働きが乱れ、気が滞りやすくなります。
※逆に、肝に負担がかかることをしても、気が滞ることになってしまいます。
その結果として、次のような症状があらわれます👇
・イライラ・ため息・怒りっぽい
・肩こり・頭痛・めまい
・胃の不調・便秘や下痢
こうした症状は、肝気が滞ったサインです。
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🌼 肝鬱気滞が長引くと…
気の滞りが続くことで、体のどこに負担が出るかによって症状が変わります。
・熱がこもるタイプ:怒りっぽくなる、顔が赤くなる、目の充血
・胃腸に影響するタイプ:食欲不振、軟便や便秘、疲れやすい
・女性に多いタイプ:月経不順、月経痛、冷え
その他、さまざまな症状につながります。
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🪡 鍼灸でできること
鍼灸では、気の通り道(経絡)にあるツボを使い、滞っている気の流れをやさしく整えていきます。
刺激を通して「体の緊張」がゆるみ、
「心のこわばり」も自然とほどけていきます。
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🍃 早めのケアが大切
・心と体はつながっています。
身体の巡りを整えることが、心の安定にもつながります。
・気の滞りが長引く前に、整えることが大切
心も体ものびやかに動けるよう、早めのケアがおすすめです。
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🌸まとめ
肝鬱気滞は、心と体の両方に現れる“気の滞り”です。
鍼灸では、やさしい刺激で気の流れを整え、
本来の“のびやかで穏やかな自分”を取り戻すお手伝いをします。
甘い物🍰と東洋医学
みんな大好き… 甘い物🎂
『甘いものと、東洋医学📚』
私たちの生活に欠かせない「甘味」。
東洋医学では、味も大切な「薬」として考えられてきました。
中医学では、食べ物の味を「五味」と呼びます。
・酸(すっぱい) 肝に入る
・苦(にがい) 心に入る
・甘(あまい) 脾に入る
・辛(からい) 肺に入る
・鹹(しおからい) 腎に入る
この中で「甘」は、脾胃(=消化吸収をつかさどる臓腑)と深く関わりがあります。
✨甘味の働き✨
中医書には「甘味は緩(ゆる)め、中(なか)を補い、気を和す」とあります。
つまり甘味は、体をゆるめ、消化器を助け、気持ちを落ち着ける作用があると考えられてきました。
そのため、古代からお粥や小豆など、ほんのり甘い食べ物は「養生食」として重視されてきました。
しかし、同じ中医書には「多食甘則脾気損」とも記されています。
甘味の取りすぎは、かえって脾胃を弱らせるよ…ということです☝️
脾が弱ると…
・だるい、だる重い、スッキリしない
・むくみやすい
・胃もたれ・食欲低下・食べたくない
・下痢しやすい
といった症状が出やすくなります。
また、現代に多い「砂糖やお菓子」の強い甘さは本来の自然な甘味とは異なり、気血の巡りを滞らせ、痰湿(たんしつ)という余分な水分や脂肪のもとをつくります。
甘味は本来「養生」にも役立つ大切な味。
ただし「ほどよく、自然な甘味を楽しむ」ことが養生の知恵といえます。
身体にやさしい甘さを選ぶことで、脾胃を健やかに保つことができます📚