甘い物🍰と東洋医学
みんな大好き… 甘い物🎂
『甘いものと、東洋医学📚』
私たちの生活に欠かせない「甘味」。
東洋医学では、味も大切な「薬」として考えられてきました。
中医学では、食べ物の味を「五味」と呼びます。
・酸(すっぱい) 肝に入る
・苦(にがい) 心に入る
・甘(あまい) 脾に入る
・辛(からい) 肺に入る
・鹹(しおからい) 腎に入る
この中で「甘」は、脾胃(=消化吸収をつかさどる臓腑)と深く関わりがあります。
✨甘味の働き✨
中医書には「甘味は緩(ゆる)め、中(なか)を補い、気を和す」とあります。
つまり甘味は、体をゆるめ、消化器を助け、気持ちを落ち着ける作用があると考えられてきました。
そのため、古代からお粥や小豆など、ほんのり甘い食べ物は「養生食」として重視されてきました。
しかし、同じ中医書には「多食甘則脾気損」とも記されています。
甘味の取りすぎは、かえって脾胃を弱らせるよ…ということです☝️
脾が弱ると…
・だるい、だる重い、スッキリしない
・むくみやすい
・胃もたれ・食欲低下・食べたくない
・下痢しやすい
といった症状が出やすくなります。
また、現代に多い「砂糖やお菓子」の強い甘さは本来の自然な甘味とは異なり、気血の巡りを滞らせ、痰湿(たんしつ)という余分な水分や脂肪のもとをつくります。
甘味は本来「養生」にも役立つ大切な味。
ただし「ほどよく、自然な甘味を楽しむ」ことが養生の知恵といえます。
身体にやさしい甘さを選ぶことで、脾胃を健やかに保つことができます📚
今日は中秋の名月🌕
🌕 月と中医学 ~体と心のリズムを整える~
中医学では、「人は自然の一部」と考えます。
昼と夜、季節の変化、そして月の満ち欠けと、
自然のリズムは、私たちの体や心に深く関係しています。
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🌞 陰陽と月の関係
自然のリズムを理解する基本は「陰陽」です。
•太陽=陽:あたたかく、動き、外に向かう力
•月=陰 :しずかで、冷たく、内に向かう力
月はこの「陰」を象徴し、体の中では「陰血(いんけつ)」の働きをあらわします。
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※陰血(いんけつ)とは?
陰血とは、単なる血液ではなく、
体をうるおし、栄養を与え、心を落ち着かせる力を持つ血と体の水分(津液)のことです。
つまり、「血」+「体の水分」=「陰血」
陰血がしっかりしていると、肌や髪にうるおいがあり、心も安定。逆に足りないと、肌の乾燥、不眠、イライラ、のぼせなどが出やすくなります。
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🌙 月のリズムと体の関係
古典『黄帝内経』には、「陰陽は天地の道なり、万物の根本なり」とあります。
月の満ち欠けも、この陰陽のリズムを表しています。
私たちの体も、このリズムに影響を受けながら、バランスを保っています。
🌗 月のサイクルと体のケア
月の状態 |
体の状態 |
ケアのポイント |
🌑 新月 |
気血の流れがゆるやかで疲れやすい |
睡眠をしっかりとる・温かい食事で体を養う・静かに過ごす (休む) |
🌓 上弦 |
消化や吸収が良く、活動しやすい |
軽い運動・朝の活動を意識・外気に触れる (活動開始) |
🌕 満月 |
気血が充実し、感情が高ぶりやすい |
深呼吸などで心を落ち着ける・ゆったり過ごす (活動ピーク・感情高ぶる) |
🌗 下弦 |
代謝が落ち、冷えやむくみが出やすい |
体を温め、ストレッチや入浴で巡りを整える (体と心を整え、静める) |
新月とは…
月が太陽と同じ方向にあって地球から見えない状態のこと。
中医学の視点では…
※新月
外は静か、内では新しい動きが始まり、
陰の静けさと陽の芽生えが共存してる時期
※上弦
陽が増え、活動エネルギーが高まる時期
※ 満月
外では陽が極まり活動が盛ん、内では陰血が満ち、感情や気血の動きが強くなる時期
※下弦
陽が衰え、陰が増えて体が静まる時期
💡なるほど🧐
だから、鬼滅の刃の上弦の鬼って強いってことなのか…。
ー まとめ ー
月は「陰血」を司り、体をうるおし(栄養・滋潤)、心を落ち着かせ(精神の安定)、陽を鎮め、陰を養います。
中医学で月を観るとは、
「自然と調和して、体と心の陰陽を整える」ということになります。
🌕 月は体を養い、心を安らげる『陰のエネルギー』
太陽(陽)が体を動かす力なら、月(陰血)は体と心をしずかに支える力です☝️
※ 新月 → 上弦 → 満月 → 下弦 → 次新月までが、約7日ごとに「陰陽の転換」が起こっていると考えられています。
(29.5日で一巡)
【東洋医学☯️と睡眠💤】
東洋医学と睡眠 - 陰陽の調和から考える
私たちの睡眠💤は、東洋医学の根本概念である「陰」と「陽」と深く関わっています。
『黄帝内経・素問』(中医書)には…
「陽気尽くせば臥す、陰気尽くせば寤む」と記されており、体の中の陰陽の消長に従って、昼は陽気が盛んで活動し、夜は陽気が減り陰気が優位になって眠る、という昼夜のリズムを説明している表現です☝️
※ 陰陽消長とは…
陰と陽が互いに増えたり減ったりしながら、全体のバランスを保つことをいいます。どちらかが多すぎたり少なすぎたりすると、体調や自然のバランスが崩れる、という考え方です。
陰陽と睡眠の関係
・朝、昼(陽):太陽が昇り、体は活動に適した状態になります。気血が体表や四肢に巡り、外向きの働きが活発になります🏃♀️
・夜(陰):日が暮れると陰が盛んになり、陽気は内に収まり、心身は静かに休養へと向かいます🛏️
つまり、眠ることは「陽が収まり、陰に帰る」ことを意味します。
睡眠の不調と陰陽の乱れ
・寝つきが悪い/眠りが浅い
→ 陽気が収まらず、心神が安らがない
・夜中に何度も目が覚める
→ 陰が不足し、陽を抱えられない
・朝すっきり起きられない
→ 陽気の発動が弱く、脾腎の不足や痰湿の停滞が関与。
東洋医学的な改善のヒント
1.寝る前は陰を養う行動を
・強い光や刺激を避け、心を落ち着ける。
・温かいお茶や深呼吸で気を静める。
2.昼はしっかり陽を巡らせる
・軽い運動や太陽の光を浴びることで、陽気を充実させる。
・活動と休養のメリハリをつける。
3.鍼灸や養生で陰陽のバランスを整える
・不眠傾向の方には「心腎」を調える経穴を用いて、心神を安定させる。
・倦怠や過眠傾向の方には「脾胃」を整える。
脾胃がしっかり働くと、体の中の陽(活動のエネルギー)が生まれやすくなる。
🌿 睡眠は「単なる休養」ではなく、陰陽の切り替えそのものです。
もし眠りに不調を感じている方は、陰陽のバランスが崩れているサインかもしれません。鍼灸や日常の工夫で、その調和を取り戻すお手伝いができます☺️
🍺夏のビール疲れが秋に出る? 🍺
夏のビール🍺疲れが秋に出る?
― 東洋医学の視点からー
夏は冷たいビールがおいしい季節です。
しかし、東洋医学の観点では「夏の飲みすぎ」が秋の不調につながることがあります。
☀️夏のビール🍻と「湿」「熱」
中医学では、ビールの飲みすぎは次のような影響を与えると考えます。
- 冷たい性質 → 脾胃を冷やし、消化機能を弱める
- アルコールの性質 → 陽熱を生み、体内に「熱」をこもらせる
- 過剰な水分 → 脾の運化を妨げて「湿(余分な水分)」がたまる
この結果、体には「湿」と「熱」が同時に停滞しやすくなります。
『黄帝内経・素問』には、
「湿は重濁をもって性となし、熱は上炎をもって性となす」
とあり、湿は重だるさや停滞感を、熱は上へこもる症状を引き起こすとされています。
「湿熱」が残ると起きやすい症状
湿と熱が体に残ると、次のような不調につながります。
- 身体のだるさ、倦怠感
- むくみや重だるさ
- 胃もたれ、食欲不振
- のどの渇き、口苦
これはまさに「湿熱内蘊(しつねつないじゅん)」と呼ばれる状態です。
秋に出やすい症状 ― 乾燥との相乗作用
秋は空気が乾燥し、五臓の「肺」が影響を受けやすい季節。
夏に残った「湿熱」に乾燥が加わると、次のような症状を引き起こすことがあります。
- 便秘
- 乾いた咳
- 肌荒れや乾燥
- 疲れやすさ
つまり「夏のビール疲れ」が「秋の不調」として表面化するのです。
養生のポイント
秋に向けて、夏の「湿熱」をためない工夫が大切です。
- 温かい飲み物や消化に優しい食事で、脾胃を守る
- 苦味のある食材(ゴーヤ、緑茶など)で余分な熱を冷ます
- 軽い運動などで巡りを良くして湿をさばく
- 梨、白きくらげ、れんこんなどで肺を潤す
🍂 まとめ
夏のビールは楽しいですが、東洋医学的には「湿」と「熱」をためやすい飲み物です。
それが秋の「乾燥」と重なり、不調につながることも少なくありません。
夏の疲れを早めに整え、秋を元気に過ごしましょう。
【秋分の日と東洋医学】
🍂秋分の日と陰陽のバランス
秋分の日は、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。
東洋医学では、昼は「陽」、夜は「陰」を表すため、この日は 陰陽がちょうど均衡する日 と解釈できます。
自然界の流れを陰陽で見てみると…
- 春分 → 陽が増え始める
- 夏至 → 陽が極まる
- 秋分 → 陰陽が均衡
- 冬至 → 陰が極まる
秋分を過ぎると、昼(陽)はだんだん短くなり、夜(陰)が長くなっていきます。つまり、これからは 陰のエネルギーが強まる季節 に入るのです。
🌿陰のエネルギーと体の変化
陰には「静・冷・内向・下降」などの性質があります。
そのため秋から冬にかけては…
- 気血が体の内側に収斂しやすくなる
- 体表や手足は冷えやすい
- 空気が乾燥し、肺に負担がかかりやすい
つまり、体は 内側にエネルギーを蓄えながら、外は冷えやすく乾燥しやすい 状態になっていくと考えられます。
🍵この時期の養生ポイント
- 体を温める
温かい食事や入浴で、外側をしっかり温めましょう。冷えは風邪や呼吸器の弱りにつながりやすいです。 - 潤いを補う(秋=五臓:肺)
秋は、乾燥の季節。「肺」は乾燥に弱いため、大根・れんこん・梨・はちみつなどを取り入れて潤いを守ることが大切です。 - しっかり休養する
陰のエネルギーは静を好みます。早めに休むことで体が自然の流れに調和しやすくなります。 体内にエネルギーを蓄えることが、冬に備える養生になります。
✨秋分は、陰陽のバランスが整う節目の日✨
これを境に陰が増えていくため、体はエネルギーを内にしまい込み、表面は冷えや乾燥にさらされやすくなります。
だからこそ、この季節は温めて守り、潤いを補い、しっかり休むことが大切です。自然のリズムに合わせた養生が、心と体を健やかに保つポイントになります♪