鍼灸(はり・きゅう)治療を健康保険で受けるには?
💉鍼灸(はり・きゅう)治療を健康保険で受けるには?条件・メリット・当院のスタンス✨
💡「鍼灸って保険で受けられるの?」とよく質問されます。
実は、一部の場合に健康保険(療養費)を使って鍼灸を受けることが可能です。
ただし、誰でも・どんな症状でも使えるわけではなく、国(厚生労働省)が定めた条件があります。
ここでは、患者さん目線でわかりやすく整理してみました。
✅ 保険が使えるケース
厚生労働省の定める「療養費」の条件は、主に次の通りです。
1. 📝 医師の同意書があること
施術前に、医師が「この鍼灸施術を受けてもよい」と書いた同意書が必要です。
> 公式資料:厚生労働省 PDF
2.🏥 対象となる疾病があること
慢性的な痛みが対象で、医師による通常治療手段が適当でないと判断されるものです。
代表的な6疾患はこちら👇
・神経痛
・リウマチ
・頸腕症候群(肩〜腕の痛み・しびれ)
・五十肩
・腰痛症
・頸椎捻挫後遺症(むち打ちなどの後遺症)
3.⚠️ 医療機関での治療と併用できないこと
同じ病名で病院の治療(薬・注射・リハビリなど)を受けている場合、保険は使えません。
※ 保険適用は「医師の通常治療が適当でない場合」のみです。
4. 🔄 継続施術の場合の手続き
同意書には有効期間があり、通常6か月ごとに再交付が必要です。
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『例:五十肩(肩関節周囲炎)の場合』
五十肩で肩の痛みや動かしにくさが続く場合、
医師が「鍼灸治療を受けてもよい」と判断したとき(医師の同意書が必要)に限り、健康保険を使って鍼灸を受けられます。
ただし、同じ肩の症状で病院の薬・注射・リハビリなどを受けている場合は保険は使えません。
保険を使うには、医師の同意書が必要で、6か月ごとに更新することが一般的です。
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🌟 当院のスタンス
当院では、お身体全体を見て・原因から整えるオーダーメイド施術を重視しています。
そのため、保険治療ではなく実費(自費)治療のみで行っています。
• 体質・姿勢・内臓・ストレス・自律神経など全体を考慮し、根本改善・再発予防を目指した丁寧な施術を行なっています。
📝 まとめ
💡保険利用は条件が厳しく、医師の同意書・対象疾患・医療機関との併用不可など制限があります。
💡保険治療は「費用が安い」「慢性痛に使いやすい」というメリットがありますが、自由度が低く、対象疾患も限定されます(6疾患のみ)
💡実費治療は制限がなく、体全体を整える施術が可能で、根本改善・再発予防を目指せます。
患者さんの目的や症状に応じて、保険利用か実費治療かを選ぶことが大切です。
✨当院では、患者さんのお身体のために、病院での治療を受けながら実費で鍼灸治療を併用することをおすすめしています✨
画像診断やリハビリ、薬など西洋医学の治療も必要と考えているため、東洋医学の鍼灸と組み合わせることで、体全体を整えながら根本改善と再発予防を目指せます☝
ストレスと鍼灸
現代社会では、仕事や人間関係など、日々さまざまなストレスにさらされています😥
その中で、感情を抑え込んだり、我慢を続けていると、心と体をめぐる「気(エネルギー)」の流れが少しずつ滞っていきます☝️
このような状態が長く続くと、心や体に負担がかかり、イライラ😡・不安😞・胸のつかえ・喉のイガイガ・胃の不快感など、さまざまな不調としてあらわれます。
東洋医学(中医学)では、こうしたストレスによって「肝」の働きが滞り、気の流れが悪くなった状態を「肝鬱気滞(かんうつきたい)」といいます。
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🍃 肝(かん)は「気のめぐり」を司る臓
肝は、体の中で「気(エネルギー)」の流れをスムーズに保つ働きを担っています。
しかし、ストレスが続くと肝の働きが乱れ、気が滞りやすくなります。
※逆に、肝に負担がかかることをしても、気が滞ることになってしまいます。
その結果として、次のような症状があらわれます👇
・イライラ・ため息・怒りっぽい
・肩こり・頭痛・めまい
・胃の不調・便秘や下痢
こうした症状は、肝気が滞ったサインです。
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🌼 肝鬱気滞が長引くと…
気の滞りが続くことで、体のどこに負担が出るかによって症状が変わります。
・熱がこもるタイプ:怒りっぽくなる、顔が赤くなる、目の充血
・胃腸に影響するタイプ:食欲不振、軟便や便秘、疲れやすい
・女性に多いタイプ:月経不順、月経痛、冷え
その他、さまざまな症状につながります。
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🪡 鍼灸でできること
鍼灸では、気の通り道(経絡)にあるツボを使い、滞っている気の流れをやさしく整えていきます。
刺激を通して「体の緊張」がゆるみ、
「心のこわばり」も自然とほどけていきます。
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🍃 早めのケアが大切
・心と体はつながっています。
身体の巡りを整えることが、心の安定にもつながります。
・気の滞りが長引く前に、整えることが大切
心も体ものびやかに動けるよう、早めのケアがおすすめです。
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🌸まとめ
肝鬱気滞は、心と体の両方に現れる“気の滞り”です。
鍼灸では、やさしい刺激で気の流れを整え、
本来の“のびやかで穏やかな自分”を取り戻すお手伝いをします。
甘い物🍰と東洋医学
みんな大好き… 甘い物🎂
『甘いものと、東洋医学📚』
私たちの生活に欠かせない「甘味」。
東洋医学では、味も大切な「薬」として考えられてきました。
中医学では、食べ物の味を「五味」と呼びます。
・酸(すっぱい) 肝に入る
・苦(にがい) 心に入る
・甘(あまい) 脾に入る
・辛(からい) 肺に入る
・鹹(しおからい) 腎に入る
この中で「甘」は、脾胃(=消化吸収をつかさどる臓腑)と深く関わりがあります。
✨甘味の働き✨
中医書には「甘味は緩(ゆる)め、中(なか)を補い、気を和す」とあります。
つまり甘味は、体をゆるめ、消化器を助け、気持ちを落ち着ける作用があると考えられてきました。
そのため、古代からお粥や小豆など、ほんのり甘い食べ物は「養生食」として重視されてきました。
しかし、同じ中医書には「多食甘則脾気損」とも記されています。
甘味の取りすぎは、かえって脾胃を弱らせるよ…ということです☝️
脾が弱ると…
・だるい、だる重い、スッキリしない
・むくみやすい
・胃もたれ・食欲低下・食べたくない
・下痢しやすい
といった症状が出やすくなります。
また、現代に多い「砂糖やお菓子」の強い甘さは本来の自然な甘味とは異なり、気血の巡りを滞らせ、痰湿(たんしつ)という余分な水分や脂肪のもとをつくります。
甘味は本来「養生」にも役立つ大切な味。
ただし「ほどよく、自然な甘味を楽しむ」ことが養生の知恵といえます。
身体にやさしい甘さを選ぶことで、脾胃を健やかに保つことができます📚
からだの診かた✋について
先生☝️
「どうやって私の体の状態を診ているのですか?」と聞かれることがあります。
それでは…
ちょっと、東洋医学の世界へご案内💁
『はりとおきゅう 』 では…
中医学の考え方をベースに、症状だけでなく、
・望診(顔色・舌の色や形)・聞診(声・呼吸の状態)・問診(自覚症状)・切診(脈・腹診) の四診を組み合わせて、体全体のバランスを診ています。
中医学では、人体の状態を大きく 「気・血・水(津液)」 の3つの基本物質でとらえています。
※西洋医学とは、ちょっと考え方が異なります
このバランスが乱れると、病気の原因になりやすいと考えられています☝️
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🌿気(き)
気は生命活動を支える基本エネルギーで、臓腑の働きや血液・津液の運行を推動します。
主な働き
:血や津液の循環、臓腑の働きを促す
:体を温め、陽気を保つ
:外邪から体を守る
:血や津液を体内に保持
:水液代謝・汗・尿の生成を助ける
【気の乱れ】
•気虚(不足):疲れやすい、息切れ、声が小さい、風邪をひきやすい
•気滞(滞り):胸や脇が張る、ため息が多い、イライラ、喉のつかえ感
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❤️血(けつ)
血は気の推動によって全身を循環し、臓腑・筋肉・皮膚を滋養します。
また血は心を養い、精神・睡眠にも関わります。
主な働き
:臓腑・筋肉・皮膚への滋養
:心神を安定させ、眠りを助ける
:体液・組織をうるおす
【血の乱れ】
•血虚(不足):顔色が悪い、めまい、不眠、月経量が少ない
•瘀血(滞り):刺すような痛み、月経痛、シミ・くすみ、血塊
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💧水(すい/津液)
水(津液)は血液以外の体液全般を指し、臓腑や関節を潤し、体を冷やす作用も持ちます。
主な働き
:皮膚・粘膜・関節を潤す
:臓器を保護し、組織を滋養
:余分な水を尿や汗として排出
水の異常(津液不足・水滞)
津液不足:口渇、乾燥肌、便秘、ほてり
水滞:むくみ、痰多、体が重い、めまい
日々の疲れや生活習慣、季節の変化、精神的な負担などにより、気血水のバランスは崩れやすくなります😷
四診で得た情報から体質を見極め、体質に合った鍼灸施術で気血水の巡りを整えつつ、局所への施術も行い、優しく不調を改善へと導いていきます🪡✨
今日は、どのように身体をみてるの?
に、少し、回答してみました☺️
今日は中秋の名月🌕
🌕 月と中医学 ~体と心のリズムを整える~
中医学では、「人は自然の一部」と考えます。
昼と夜、季節の変化、そして月の満ち欠けと、
自然のリズムは、私たちの体や心に深く関係しています。
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🌞 陰陽と月の関係
自然のリズムを理解する基本は「陰陽」です。
•太陽=陽:あたたかく、動き、外に向かう力
•月=陰 :しずかで、冷たく、内に向かう力
月はこの「陰」を象徴し、体の中では「陰血(いんけつ)」の働きをあらわします。
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※陰血(いんけつ)とは?
陰血とは、単なる血液ではなく、
体をうるおし、栄養を与え、心を落ち着かせる力を持つ血と体の水分(津液)のことです。
つまり、「血」+「体の水分」=「陰血」
陰血がしっかりしていると、肌や髪にうるおいがあり、心も安定。逆に足りないと、肌の乾燥、不眠、イライラ、のぼせなどが出やすくなります。
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🌙 月のリズムと体の関係
古典『黄帝内経』には、「陰陽は天地の道なり、万物の根本なり」とあります。
月の満ち欠けも、この陰陽のリズムを表しています。
私たちの体も、このリズムに影響を受けながら、バランスを保っています。
🌗 月のサイクルと体のケア
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月の状態 |
体の状態 |
ケアのポイント |
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🌑 新月 |
気血の流れがゆるやかで疲れやすい |
睡眠をしっかりとる・温かい食事で体を養う・静かに過ごす (休む) |
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🌓 上弦 |
消化や吸収が良く、活動しやすい |
軽い運動・朝の活動を意識・外気に触れる (活動開始) |
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🌕 満月 |
気血が充実し、感情が高ぶりやすい |
深呼吸などで心を落ち着ける・ゆったり過ごす (活動ピーク・感情高ぶる) |
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🌗 下弦 |
代謝が落ち、冷えやむくみが出やすい |
体を温め、ストレッチや入浴で巡りを整える (体と心を整え、静める) |
新月とは…
月が太陽と同じ方向にあって地球から見えない状態のこと。
中医学の視点では…
※新月
外は静か、内では新しい動きが始まり、
陰の静けさと陽の芽生えが共存してる時期
※上弦
陽が増え、活動エネルギーが高まる時期
※ 満月
外では陽が極まり活動が盛ん、内では陰血が満ち、感情や気血の動きが強くなる時期
※下弦
陽が衰え、陰が増えて体が静まる時期
💡なるほど🧐
だから、鬼滅の刃の上弦の鬼って強いってことなのか…。
ー まとめ ー
月は「陰血」を司り、体をうるおし(栄養・滋潤)、心を落ち着かせ(精神の安定)、陽を鎮め、陰を養います。
中医学で月を観るとは、
「自然と調和して、体と心の陰陽を整える」ということになります。
🌕 月は体を養い、心を安らげる『陰のエネルギー』
太陽(陽)が体を動かす力なら、月(陰血)は体と心をしずかに支える力です☝️
※ 新月 → 上弦 → 満月 → 下弦 → 次新月までが、約7日ごとに「陰陽の転換」が起こっていると考えられています。
(29.5日で一巡)